20世紀の後半、日本の他の場所と同様に、軽井沢でも草原・湿原がなくなってしまいました。どうして
でしょう?
 自然を豊かにするためにはどうしたら良いのでしょう?木を植えるだけではだめです。たくさんの種類
の生き物が住めるような「生態系」を取り戻さなければなりません。多様な生き物が暮らしていけるとこ
ろが、自然が豊かなのです。このことを「生物多様性が高い」と言います。
 かつての人の生活の中では、薪を集めたり、畑の肥料を作ったりするために、20〜30年に一度、里山
や草原の木を切ったり、日当たりを良くして下草を増やし、若い木を育てることが必要でした。軽井沢で
も私たちの先輩たちは、何百年もの間、自然の恵みを上手に利用してきました。おかげで軽井沢には、
たくさんの草原・湿原・里山がありました。サクラソウをはじめとする多様な生き物が、人と一緒に豊かに
暮らしていました。その中には1万年も前の氷河時代から生きてきた貴重な植物もたくさんありました。
 木を切って薪にしたり、炭を焼いたりすることは、遅れた古くさいことではなく、「自然にやさしい」生き
方だと、最近わかってきました。それは地球温暖化で問題になっている二酸化炭素を増やさないからで
す。21世紀。地球温暖化を防がなくては、地球の気候や生き物の生活や、人間の暮らしが危うくなって
しまいます。
 草原・湿原・里山の木や草を使って、バイオマスエネルギーの形で、21世紀の人間と自然との共生を
図っていくことが可能になるかも知れません。木の燃料を利用することで、地球温暖化を防ごうとする試
みが、スウェーデンなどですでに実施されています。
 植物も動物も昆虫も、すべての生き物が安心して住める町には、子供もおとなもお年寄りも、安心して
心豊かに住めるのではないかと思います。軽井沢の自然を現在よりもっと豊かにして、未来の子供たち
に残しましょう。

※随時追加します。
 

 軽井沢で問題になっている具体的な事例

  掲載日
1.里山の破壊 南軽井沢扇平(おおぎだいら)の例  05.10.19.
2.